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   スポーツ栄養学

トレーニングだけで身体づくりはできません


 サッカー選手の競技力向上のためには、トレーニング・栄養摂取・休養のバランスが大事です。 サッカーのトレーニングによって、身体の筋肉は使用(収縮)されます。その強度にもよりますが、筋肉は小さな損傷を数多く受けます。そして、そのダメージを修復する過程において、 『Over-Compensation(超回復)』という原理が働き、筋肉は肥大(再合成)します。この原理がはたらくのは、主に睡眠中(ホルモン分泌の関係)であり、さらにこの時に筋肉の材料となるタンパク質が必要となります。筋肉の再合成のために必要なホルモンは、睡眠中の特に深い眠りの時に多く分泌されますが、普段から規則正しい生活を送っていないとホルモンも分泌されにくくなります。
また、この睡眠のタイミングに合わせて、タンパク質が消化されている事が理想的なので、逆算して、夕食時にはタンパク質の多く含まれている食品をしっかり摂ることが重要になってきます。
せっかく一生懸命トレーニングしてもカップラーメンやスナック菓子を食べて夜更かし…では、ただ筋肉に損傷を与えただけで、十分な栄養摂取ができないまま終ってしまう事になります。

これらのことから、身体づくりには、『トレーニング』と共に充分な『栄養摂取』と『休養』が絶対に必要なのです。この3つをバランス良く日常生活に組み込む事が、よいサッカー選手になるために大切な事です。 とくにサッカーの指導現場(On The Pitch)以外の日常生活(Off The Pitch)において、規則正しい生活習慣を身につけることは、小学生・中学生の時期にとっては、とても重要なことなのです。

栄養素の役割を理解しよう


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バランスの良い食事を

1.タンパク質(プロテイン)


筋肉等の組織にとって最も必要な栄養素はタンパク質です。筋肉だけでなく、腱や骨格を形成していくためにも、夕食時にはタンパク質を充分に摂りましょう。タンパク質を多く含む食品としては、牛乳および乳製品、大豆、卵、肉、魚類などがあげられます。中でも牛乳は最も手軽にタンパク質を摂取でき、他の栄養素もバランス良く含まれているので理想的です。

2.糖質(炭水化物)


身体活動のための直接的なエネルギーとなるのは、糖質や脂質です。中でも激しい運動の時に最も重要な役割をもつのが糖質であり、運動を行なう上で欠かすことができません。糖質は、主食系(米、パン、麺類)に多く含まれています。活動に必要なエネルギー源ですから、活動前、すなわち朝食や昼食でしっかりと摂る事が必要です。特に朝食時にしっかりと摂る習慣をつけておかないと、脳や筋肉の活動レベルが低下した状態、すなわち集中力のない状態で1日の活動を行う事になります。特に試合当日の朝食などは、糖質中心で消化のよいものが好ましいでしょう。夕食時には、タンパク質の摂取も重要ですが、疲れた身体を回復させるためにも糖質は必要となります。

3.無機質(ミネラル)


直接的なエネルギーにはなりませんが、重要な働きをしているものに、カルシウム、鉄、ビタミンなどのミネラル類があります。これらのミネラル類は、海藻や野菜(特に緑黄食野菜)、果物などに多く含まれています。特に小・中学生などは、骨格が成長する大切な時期であり、その主成分であるカルシウムは不足しないようにしましょう。カルシウムは、海藻、牛乳、小魚(骨)などで摂る事が出来ます。ミネラルは、毎食の中に少しずつでも含むようにしましょう。

4.好き嫌いをなくそう ~自分自身で行動できるように~


栄養をバランスよく摂るためには、「好き嫌い」をなくして、何でも食べられるようにする事が大切です。「あれが食べられない、これが食べれられない」では、身体づくりができないだけでなく、合宿、遠征などで力を発揮する事ができません。

『トレーニング』、『バランスのよい食事』、『充分な睡眠』、このような規則正しい生活は、全て身体づくりの基本です。

我々大人は、子供たちが自分自身で考え行動できるようにサポートしてあげましょう。



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